「剪定すれば、まだ小さくできますか?」
「伐採した方がよいのでしょうか?」
「幹を切るだけでなく、根まで抜く必要がありますか?」
「隣の家や電線に枝が伸びていて心配です」
とても多くの問い合わせを日々受けています。
しかし、庭木はただ短く切ればよいというものではありません。
木の種類によっては強く切っても新しい芽が出ますが、葉のない部分まで切ると、その枝が枯れてしまう木もあります。また、地上の枝だけでなく、根がブロック塀や舗装、排水管に影響を与えていることもあります。
大切なのは、今の大きさだけを見るのではなく、木の健康状態、樹形、植えられている場所、将来の管理、近隣への影響まで考えることです。
今回は、小牧市で庭木の剪定、伐採、抜根、大木伐採を数多く手掛けてきた経験から、庭木に関するよくある疑問にQ&A形式でお答えします。
剪定して切り縮めた後も、庭木として美しい姿へ戻せる木であれば、できるだけ残す方法を考えます。
一方、あまりにも大きくなりすぎていて、強く切ると枝葉がほとんど生えてこなくなってしまう木や、剪定しても本来の樹形を維持できない木は、伐採を検討した方がよい場合があります。
私が剪定するか伐採するか判断するのは、主に次のような点です。
思い入れのある木を、簡単に切ってしまう必要はありません。
ただし、残すことだけを優先した結果、数年後にさらに大きな費用や危険が生じることもあります。残す場合も伐採する場合も、将来の姿を想像して判断することが大切です。
伐採とは、庭木の幹を根元付近から切り、地上部分を撤去する作業です。
抜根とは、伐採後に残った切り株や根を、地中から掘り取る作業です。
今後、その場所に何もつくらず、地面の高さも変えないのであれば、伐採だけで済ませられることがあります。
一方、その場所に、
といった計画がある場合は、抜根が必要になることが多いです。
切り株や太い根が残ったままでは、後の工事の支障になるからです。
木が大きくなるほど、根も太く広く張っています。
大木の根を掘り上げるには、重機を使ったり、チェーンブロックなどの器具を使ったりする必要があります。周囲に建物、塀、配管、庭石などがある場合は、簡単に引き抜けないこともあります。
無理に根を引き上げると、周囲の舗装や構造物まで傷める可能性があります。
そのため、現場の状況によっては、まず伐採を行い、専門家の管理のもとで根の活動を止め、時間を置いてから抜根する二段階の方法を選ぶこともあります。
すべての現場で一度に抜根することが、最善とは限りません。
周囲への影響と費用を考え、最も安全な方法を選ぶ必要があります。
切り株や根は、時間をかけて腐朽し、少しずつ土へ戻っていきます。
その過程で、次のような問題が起きる可能性があります。
ただし、切り株を残したからといって、必ず問題が起きるわけではありません。
切り株の位置、樹種、今後の土地利用、建物との距離によって判断は変わります。
抜根しない場合でも、地面より低い位置で処理し、土をかぶせるなど、状況に応じた対策を行います。
抜根すると、根があった部分に大きな空洞ができます。
その空洞へ土や砕石を入れただけでは、後から地面が沈む可能性があります。
駐車場、人工芝、コンクリート、花壇などをつくる場合は、抜根後の地盤をしっかり埋め戻し、十分に転圧する必要があります。
この下地処理が不十分だと、
といった問題につながります。
庭木を抜いた後は、木を撤去して終わりではありません。その場所を次にどう使うのかまで考え、地盤をつくり直すことが重要です。
庭木は、種類によって剪定への強さが違います。
葉のない部分まで切っても新しい芽が出る木もあれば、葉が付いていない古い枝まで切ると、その枝ごと枯れてしまう木もあります。
どの木も同じように、短く切れば小さくできるわけではありません。
また、自然な樹形を楽しむ木に、形を考えず何度もハサミを入れると、本来の美しい枝ぶりが崩れ、いびつな姿になることがあります。
強剪定をする前には、
を考える必要があります。
剪定は、今伸びている枝を切るだけの作業ではありません。数年先の木の姿をつくる作業です。
一般的に落葉樹は、葉が落ちる秋口から冬の間が剪定しやすい時期とされています。
葉が落ちた後は枝の状態を確認しやすく、木の成長も落ち着いているためです。
樹種によっては夏に剪定するものもありますが、近年の夏は非常に暑くなっています。猛暑の時期に強く剪定すると、急に幹や枝へ強い日差しが当たり、木が大きな負担を受けることがあります。
また、春から夏にかけては、木が勢いよく成長する時期です。
この時期にきれいに剪定しても、すぐに新しい枝が伸び、美しい状態を楽しめる期間が短くなってしまいます。
庭全体を整える一つの目安としては、成長が落ち着いた秋口、または春の芽吹き前が考えられます。
ただし、花木などは剪定時期を間違えると花芽を切ってしまうため、すべての庭木に同じ時期が当てはまるわけではありません。
害虫対策で最も大切なのは、こまめに庭へ出て、庭木の変化を見ることです。
まず確認してほしいのは、葉が食べられていないかという点です。
葉に穴が開いていたり、葉の縁が大きく欠けていたりする場合は、毛虫などによる食害の可能性があります。
次に、木の下を見てください。
黒い粒のような糞が落ちている場合は、枝葉のどこかに毛虫がいる可能性が高いと考えられます。
また、モミジなどの一部の庭木では、カミキリムシの幼虫であるテッポウムシが幹に入ることがあります。
幹と地面の境目付近に、おがくずのような木くずが落ちている場合は、幹の中へ幼虫が入っている可能性があります。
そのままにすると、木全体が弱る原因になります。
庭木を見る際は、
を確認してください。
害虫が発生する前に、予防として適切な時期に薬剤散布を行う方法があります。
ただし、近隣住宅への飛散、ペットや小さなお子様への影響、庭で薬剤を使いたくないという考え方もあります。
薬剤を使いたくない場合は、天然由来の資材を検討したり、害虫の発生初期に枝ごと取り除いたりする方法もあります。
ただし、薬剤を使わないのであれば、その分こまめな観察が必要です。
被害が広がってからでは、対応が難しくなります。
なお、スズメバチなど危険性の高いハチの巣を見つけた場合は、決して無理にご自身で駆除しないでください。早い段階で専門業者へ相談してください。
庭木が弱っている原因は、水不足だけとは限りません。
水の与えすぎ、根腐れ、肥料不足、肥料焼け、害虫、病気、土壌、日照条件など、さまざまな可能性があります。
私たちが最初に確認するのは、木全体が弱っているのか、一部分だけが弱っているのかという点です。
例えば、
を確認します。
葉が黄色くなっている場合は、根の傷み、肥料不足、水不足、排水不良などが考えられます。
葉先だけが枯れている場合は、水切れや肥料の与えすぎによる肥料焼けの可能性があります。
葉に斑点、白い粉、縮れなどがある場合は、炭疽病、うどんこ病、害虫なども疑います。
特に重要なのが、新芽が出ているかどうかです。
一時的に葉が落ちていても、新芽が出ていれば回復する可能性があります。しかし、新芽がまったく出ず、幹の樹皮も割れたり剥がれたりしている場合は、木が大きなダメージを受けている可能性があります。
非常に重要な判断材料になります。
庭木には、それぞれ好む環境があります。
があります。
どれだけ水や肥料を適切に与えても、その木の性質に合わない場所へ植えられていれば、元気に育たないことがあります。
例えば、日当たりを必要とする木が建物の北側に植えられていたり、水はけを好む木が常に湿った場所に植えられていたりすれば、徐々に弱る可能性があります。
庭木の不調を見る際は、葉や幹だけでなく、
この木は、そもそもこの場所に適しているのか
というところまで考える必要があります。
庭全体を見る場合は、地面に苔や水跡が多くないか、雨の後に水たまりが残っていないか、土が固く締まりすぎていないかも確認します。
枝が隣地へ越境してからではなく、越境する前に剪定してください。
屋根や電線へ触れてから対応するのではなく、触れる可能性が見えた段階で手を入れることが大切です。
大きくなった庭木は、
といった問題を引き起こします。
特に、将来大木になる樹種を、建物、ブロック塀、土留め、排水管の近くへ植えることは避けた方がよいでしょう。
すでに適さない場所へ植えられている場合は、被害が出る前に移植や撤去を検討することも必要です。
木を切ることは残念ですが、近隣との関係や建物の安全を守るためには、早めの判断が重要です。
地面から無理なく届く範囲で、細い枝を整理する程度であれば、ご自身で行うこともできます。
ただし、脚立や三脚を使う作業には、大きな危険が伴います。
庭で剪定をする場合は、一般的な四脚の脚立よりも、剪定用の三脚脚立が使われます。
三脚は三点で支持するため、庭のように多少の凹凸がある場所でも設置しやすいという特徴があります。
ただし、三脚であれば絶対に安全ということではありません。
ことが重要です。
少しでも危険だと感じたら、作業を中止してください。
高い木、太い枝、屋根や電線付近の木は、専門業者へ任せるという割り切りも必要です。転落事故は命に関わります。
剪定の仕方だけでなく、庭に植えられている樹木そのものを見直す必要があります。
管理負担を減らす方法としては、
といった方法があります。
庭の緑をすべてなくす必要はありません。
手入れに時間がかかる木を整理し、管理しやすい木を必要な場所へ残すことで、緑の安らぎと管理のしやすさを両立できます。
剪定費用を減らすために、切った枝をご自身で処分する方法もありますが、剪定枝の量が多いと大変な作業になります。無理のない範囲で、業者と作業内容を分担してください。
これから庭木を植える場合は、見た目だけで選ばないでください。
特に大切なのは、
という点です。
小さな苗木を見て選んでも、10年後には大きく姿が変わります。
植えるときには、成木になったときの高さ、枝張り、根の広がりまで確認してください。
手入れの少ない庭木については、私のYouTubeチャンネル「コウシロウガーデンチャンネル」でも詳しく紹介しています。
記事の最後に関連動画をご案内しますので、庭木選びの参考にしてください。
剪定費用は、木の高さや本数だけでは決まりません。
最も大きく影響するのは、職人がどのくらいの時間と手間を必要とするかです。
例えば、松のように一枝ずつ細かく手を入れる木と、機械や刈込ばさみで表面を整えられる木では、同じ高さでも作業時間が大きく違います。
見積金額には、
などが影響します。
そのため、「高さ3メートルの木は一律いくら」と、本来は簡単に決められるものではありません。
剪定は、ただ枝を切るだけではなく、美しい姿へ整える仕事です。価格だけでなく、職人の技量や仕上がりも確認してください。
大木の伐採には、非常に高い技術と経験が必要です。
屋根、フェンス、駐車場、道路、電線などの近くにある大木は、枝をそのまま地面へ落とすことができません。
枝や幹をロープで吊り、少しずつ切り下ろす「吊り切り」を行ったり、高所作業車やクレーンを使用したりすることがあります。
確認するのは、
という点です。
重機や車両が入れない場所では、人力とロープを使った作業が中心となり、難易度も費用も高くなります。
大木をご自身で切ることは、絶対におすすめできません。
切る方向を誤れば、建物や車、隣家を傷つけるだけでなく、重大な人身事故につながります。必ず大木伐採の経験がある専門業者へ相談してください。
何十年もその家に立ってきた木には、ご家族の歴史や思い出が重なっています。
単に大きな木だから切る、危険だから撤去するというだけでは、気持ちの整理がつかない方もいらっしゃいます。
株式会社仲根石工造園では、樹齢50年を超えるような木を伐採する際、ご希望に応じて塩やお神酒などを用いてお清めをしてから作業を行うことがあります。
さらに、樹齢100年、200年と考えられる古木の場合には、神社の宮司へ依頼し、伐採前の神事を行うこともあります。
これは、科学的な伐採技術とは別の話です。
しかし、長年大切にされてきた木へ敬意を払い、ご家族が納得したうえで次へ進むための節目として、大切なことだと考えています。
まず、隣地、道路、電線、屋根へ枝が伸びていないか確認してください。
次に、
という状態がないか見てください。
危険が目に見えてからでは、対応が遅い場合があります。
まだ剪定で小さくできる段階で相談すれば、木を残せる可能性もあります。大きくなりすぎて手に負えなくなった場合は、伐採も含めて専門業者へ相談してください。
その家に長く立ってきた木を切ることは、非常に残念なことです。
しかし、次の世代へ安全な庭を引き継ぎ、近隣の方との良好な関係を守るためには、早めに手を入れることが必要な場合があります。
事故や被害が起きてから後悔する前に、まず庭木の状態を確認することから始めてください。
庭木が大きくなったとき、すぐに伐採する必要があるとは限りません。
剪定によって樹形を整え直し、庭木として残せる場合もあります。
一方で、根が建物や塀へ影響を与えている木、隣地や電線へ枝が伸びている木、強く切っても樹形を回復できない木は、伐採や抜根を検討する必要があります。
判断する際に大切なのは、
です。
庭木は、家族に安らぎや季節の変化を与えてくれます。
だからこそ、ただ切るのではなく、残す木、整える木、伐採する木を正しく見極めることが大切です。
株式会社仲根石工造園では、小牧市を中心に、庭木の剪定、伐採、抜根、大木伐採、害虫対策、庭全体の管理方法についてご相談を承っています。
今ある木をできるだけ生かしながら、危険性や管理負担も含めて、これからの庭に合った方法をご提案します。
546ガーデンチャンネル
巨木の伐採の様子を動画で紹介しています。
【https://youtu.be/WZLd8brx4fc】
小牧で創業81年 株式会社仲根石工造園
代表取締役 仲根弘志郎
一級造園施工管理技士
文化財石垣技術保存協議会 技術会員
小牧市の老舗造園会社の3代目として18歳から造園・石工の仕事に携わり、30年以上にわたり、個人邸の庭づくり、外構工事、駐車場拡張、石積み、公共工事、史跡・文化財の修復に従事。世界文化遺産の修復にも携わり、伝統的な石工技術と現代の施工管理の両面から、文化財の保存と継承に取り組んでいる。
完成時の美しさだけでなく、今ある庭木や庭石を生かしながら、使いやすさ、管理のしやすさ、将来の暮らしまで考えた庭・外構づくりを大切にしている。