「庭を少し小さくして、駐車場を1台分増やしたい」
「庭木や庭石の手入れが大変になってきた」
「古くなった庭を、今の暮らしに合う外構へリフォームしたい」
と考えている方は多いのではないでしょうか。
私たちの地元の桃花台ニュータウンやお隣の高蔵寺ニュータウンのように、造成から長い年月が経過した住宅地では、建築当初と現在とで家族構成や車の台数、庭の使い方が変わっているご家庭も少なくありません。
ただし、庭を壊してコンクリートを打てば、簡単に駐車場ができるわけではありません。
地中には上下水道管やガス管が通っている可能性があります。また、道路と敷地の高低差、既存の土留め、残土処分、玄関までの動線などによって、工事内容や費用は大きく変わります。
そこで今回は、小牧市で造園・外構工事を手掛ける立場から、庭を駐車場へリフォームするときに知っておいていただきたいことを、Q&A形式で分かりやすくお話しします。
我々が多く仕事をさせていただいている小牧市東部は名古屋のベットタウンとして、約40年〜50前に全国的にも有名な大規模ニュータウンとして開発された地域です。
建築当初は車が1台、または2台停められれば十分だったご家庭でも、お子様の成長や家族構成の変化によって、駐車場をもう1台分増やしたいというご相談が増えています。
また、年月の経過とともに、
という、庭の管理が大変になってきている現状も、ご相談が増えている要因の一つと言えます。
私たちが最初に確認するのは、駐車場をつくる予定の場所に、上下水道管や都市ガス管などが通っていないかということです。
配管が現在の地盤の浅い位置を通っている場合、駐車場をつくるために地盤を下げると、配管が支障になることがあります。
その場合は、
などの対応が必要です。
配管の移設が発生すれば、駐車場工事とは別に費用がかかります。
そのため、見た目のデザインを考える前に、まず地中の状況を確認することが大切です。
高低差がある敷地でも、駐車場をつくることは可能です。
ただし、道路より庭が高い場合は、土を掘削して搬出し、新たに土留めをつくる必要があります。
高低差が大きくなるほど、
が増えるため、工事費も高くなる傾向があります。
駐車場だけをつくるのではなく、車を降りてから玄関まで、無理なく安全に移動できるかどうかも一緒に考えなければなりません。
おすすめはできません。
せっかく駐車場をつくっても、幅や奥行きに余裕がなければ、毎日の駐車が大きな負担になります。
車のドアが十分に開けられない、壁やフェンスに車をぶつけそうになる、何度も切り返さなければ駐車できないという状態では、後悔につながります。
現在乗っている車だけではなく、
まで考え、できるだけ余裕を持った駐車スペースを計画することが重要です。
「車が停められる寸法」ではなく、毎日無理なく使える寸法を考えてください。
すべてを処分する必要はありません。
株式会社仲根石工造園では、今あるものを再利用することを大切にしています。
例えば、これまで景石として置かれていた庭石を積み直し、新しい土留めとして使うことがあります。
既存の庭石を再利用できれば、
というメリットがあります。
庭木についても、すべて伐採するのではなく、目隠しとして使える木を移植したり、必要な場所に残したりすることがあります。
一方で、将来大きな管理負担になる木や、根が舗装や構造物に影響を与える可能性がある木は、撤去をご提案する場合も多くあります。
大切なのは、全部残すことでも、全部捨てることでもありません。
今あるお庭の中から、施工にに役立つものはしっかりと生かすとい考え方も大切だと考えています。
何も工夫せずに庭を撤去し、全面をコンクリートにすると、どうしても殺風景になりやすくなります。
しかし、駐車場も外構デザインの一部として考えれば、家全体の印象を高めることができます。
例えば、床面を一般的なコンクリートだけで仕上げるのではなく、
といった方法があります。
また、土留めを単調なブロックだけにせず、石材を組み合わせたり、周囲を木目調のフェンスで囲ったりすることで、柔らかな印象にできます。
駐車場を隠すのではなく、見せる駐車場としてデザインするという考え方です。
庭の面積が小さくなっても、素材や色、床面のデザインを工夫すれば、無機質になりすぎない外構をつくることができます。
工事費は、コンクリートを施工する面積だけでは決まりません。
特に大きく影響するのが、次の条件です。
例えば、既存の土留めがコンクリートブロックでできている場合と、鉄筋コンクリートでできている場合とでは、解体の手間や使用する機械が変わります。
また、重機が使えず、人力で解体や土の搬出を行わなければならない現場では、必要な人数と作業時間が増えるため、工事費も高くなります。
そのため、庭を駐車場にする正確な費用は、現地調査を行わなければ判断できません。
工事の規模や現場条件にもよりますが、一般的には、解体から完成までおおむね10日から2週間程度を見ていただくことが多いです。
ただし、次のような場合は工期が延びる可能性があります。
コンクリートを打設した後は、すぐに車を乗り入れることはできません。
気温、天候、コンクリートの配合、厚さなどによって必要な養生期間が変わるため、車を停めてよい時期は、施工会社の指示に従ってください。
工事期間中に自宅の駐車場が使えない場合は、月極駐車場や近隣の駐車スペースなど、代わりの置き場所も事前に考えておく必要があります。
庭の解体や土留めの撤去では、充分配慮したとしても騒音や粉じんが発生します。
当然、我々施工会社からも工事前に近隣の方へご挨拶を行いますが、施主様からも両隣や向かいのお宅へ、
〇〇から庭と駐車場の工事を行います。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。
と一言伝えていただけるだけで、より良好な関係で工事を進めやすくなります。
近隣の方が不安に感じるのは、工事そのものよりも、何が始まるのか分からないことです。
工事期間や作業内容を事前に伝えることが、トラブル防止につながります。
会社と現場が近いことは、それだけで大きなメリットがあります。
外構(建築)工事では、人だけでなく、
を何度も移動させます。
施工会社が遠方にあると、重機や車両の回送費、資材の運搬費、職人の移動時間などが増えます。
反対に、現場に近い会社であれば、こうした移動コストを抑えやすくなります。
普段から取引のある近隣の資材問屋から、必要な材料を安定して素早く仕入れられることも利点です。
工事後に不具合や相談があった場合も、近くの業者であれば現地を確認しやすくなります。
これは我々に限った話ではありません。
このコラムを読んでいただいたあなたには、造園会社や外構業者を探す際は、できるだけ近隣で実績のある優良な会社を探すことをおすすめします。
この設問に関しては他のコラムにも詳しく掲載しているのでそちらも参照していただきたいのですが、まず確認していただきたいのは、近隣地域での施工実績と周囲の評判です。
その地域で長く仕事をしている会社であれば、実際の施工現場や評判を確認しやすくなります。
次に確認してほしいのが、見積もりから施工までを自社で行っているかどうかです。
多くの業務を下請け業者へ工事を任せること自体が悪いわけではありませんが、何社もの中間業者が入ると、費用が増えたり、要望が現場に伝わりにくくなったりする可能性があります。
自社で見積もり、設計、施工、アフターメンテナンスまで対応している会社には、
というメリットがあります。
また、ホームページなどで代表者や実際に施工する職人の顔が見えるかどうかも、一つの判断材料です。
誰が打ち合わせを行い、誰が現場を管理し、誰が施工するのか。
その人たちの考え方や仕事への姿勢が見える会社の方が、安心して相談しやすいと思います。
次の情報があると、現地調査や見積もりが進めやすくなります。
特に、配管図が残っていれば、工事の計画を考えるうえで非常に役立ちます。
ただし、古い住宅で図面が残っていなくても相談は可能です。
現地の状況を確認し、必要に応じて配管の位置を調べ、経験の中で見えない部分も推測を入れながら計画していきます。
庭を駐車場へリフォームする工事は、施工会社の経験とアイデアによって、内容も費用も大きく変わります。
配管をすべて移設するのか、避けて設計するのか。
土留めをどの様に施工するのか。
全面をコンクリートにするのか、既存の植栽や石を残してデザインするのか。
一つの方法に決めつけず、複数の可能性を検討することが大切です。
お客様ご自身も、
庭はすべて撤去しなければならない
駐車場は全面コンクリートにしなければならない
と、最初から考えを固めすぎないようにしてください。
希望することと、絶対に避けたいことを施工会社へ伝えたうえで、柔軟に話し合うことで、費用を抑えながら使いやすく、見た目にも満足できる方法が見つかることがあります。
庭を駐車場へリフォームする場合、まず確認しなければならないのは、上下水道管やガス管、道路との高低差、既存の土留め、重機の進入条件です。
駐車場の広さは、車が入る最低限の寸法ではなく、乗り降りや将来の車種変更まで考え、余裕を持って設計することが重要です。
また、庭木や庭石をすべて処分する必要はありません。
庭石を土留めとして積み直したり、庭木を目隠しとして移植したりすることで、処分費や材料費を抑えながら、これまでの庭の面影を残すこともできます。
駐車場をつくることだけを目的にするのではなく、玄関までの安全な動線、家全体の見た目、将来の管理まで含めて考えてください。
株式会社仲根石工造園では、小牧市東部を中心に、庭のリフォーム、駐車場の拡張、庭木・庭石の整理、土留め、石積み、外構工事についてご相談を承っています。
現場にあるものをすべて壊すのではなく、残せるもの、再利用できるものを見極めながら、今の暮らしに合った庭と外構をご提案しています。
小牧で創業81年 株式会社仲根石工造園
代表取締役 仲根弘志郎
一級造園施工管理技士
文化財石垣技術保存協議会 技術会員
小牧市の老舗造園会社の3代目として18歳から造園・石工の仕事に携わり、30年以上にわたり、個人邸の庭づくり、外構工事、駐車場拡張、石積み、公共工事、史跡・文化財の修復に従事。世界文化遺産の修復にも携わり、伝統的な石工技術と現代の施工管理の両面から、文化財の保存と継承に取り組んでいる。
完成時の美しさだけでなく、今ある庭木や庭石を生かしながら、使いやすさ、管理のしやすさ、将来の暮らしまで考えた庭・外構づくりを大切にしている。